東大式トレチノイン治療
東大式トレチノイン治療
トレチノインとは
トレチノイン(レチノイン酸)は米国ではシワ、ニキビの治療医薬品として、FDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されています。日本では認可されておりませんが、本院では米国の製品を輸入し処方しております。
トレチノインの皮膚に対する作用には以下のようなものがあります。
1. 角質をはがす。
2. 表皮の細胞をどんどん分裂させ、皮膚の再生を促します。
3. 皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えます。
4. 真皮でもコラーゲンの分泌を高め、長期的には皮膚の張り、小じわの改善をもたらします。
5. 表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の分泌を高め、皮膚をみずみずしくします。
トレチノイン外用によるしみ治療は、原則的に患者さんご自身により、軟膏を塗布するという方式を取っていますので、患者さんがこの治療をよく理解されているということが重要です。
本治療の主な副作用は、1)治療に伴う皮膚炎、2)炎症後色素沈着です。これらを皮膚炎を和らげるため、また炎症後色素沈着を起こさないようにするため、医師の指導のもとに治療を受けてください。
(重要!)トレチノイン治療中は必ず医師の指示どおりに通院して(通常は月に2回)診察を受けてください。”薬さえもらえば自宅で簡単に塗るだけで治る”治療ではありません。 トレチノイン治療は臨床結果を保証するものではありません。
■トレチノインによるシミの治療の原理
表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層といいます)で生まれてから、徐々に表面に押し上げられてきて、やがて角質となり、最後は垢となって皮膚から剥がれていきます。この表皮の細胞の一生のサイクルを皮膚のターンオーバーと呼び、約4週間かかることが知られています。トレチノインは、表皮の深い層にあるメラニン色素を外に出してしまう働きを持っています。トレチノインは表皮の細胞を活発に増殖させるために、表皮の細胞はどんどん押し上げられていき、そのときにメラニン色素を一緒に持って上がっていき、2ないし4週間でメラニン色素を外に出してしまいます。これがトレチノインの特長です。本治療では、この期間ずっと、強い漂白剤であるハイドロキノンを作用させて、メラノサイトに新しいメラニンを作らせなくしておきます。そうすると結果的に、表皮はメラニン色素の少ない、きれいな新しい皮膚に置き換えられることになります。
■ 本治療に使われる主な薬剤
1. トレチノインクリーム(レチノイン酸)(うすい黄色いジェル)
これはうすい黄色のジェルです。非常に強力な作用がありますから、医師の指導のもとにお使いいただかなければなりません。この薬はしみを古い表皮の細胞とともに、垢として押し出してくれます。そして、新しい表皮を作り上げます。
副作用:使用すると反応性の皮膚炎が起こります。赤くなったり、ぽろぽろと角質が取れてきます。このような反応はアレルギー反応(すなわち、薬かぶれ)として起こっているわけではありません。適度な範囲であれば全く心配ありません。薬が効いていることのひとつの目安です。とくに反応が強いときは担当医にご相談ください。
2. ハイドロキノンクリーム(HQダブルブライトE)
ハイドロキノンはメラニン合成酵素であるチロジナーゼの阻害剤であり、さらにメラニン色素を作るメラノサイトに対して細胞毒性があります。すなわち、しみの原因であるメラニン色素を作らせなくする漂白剤です。ですから、この軟膏は強力な美白剤となります。
副作用:特にレチノイン酸治療のように角質を取る治療をしているときには、ハイドロキノンはしみるためヒリヒリしたり、皮膚が少し赤くなったりすることがあります。刺激が強い場合は、このハイドロキノンを一時中止するのではなく、トレチノインの方を一時お休みしましょう。
一部の患者さんの中にはハイドロキノンにより接触性皮膚炎(通称かぶれ)を起こす方がいます。このため治療前にパッチテストを行う使用可能かを調べます。
■ トレチノインが有効なしみと、あまり有効でないしみ
* 比較的短期間によく取れるもの 老人性色素斑、炎症後色素沈着など
* うすくはなるが、完全にとるためには時間がかかるもの そばかす、肝斑、扁平母斑、茶色いほくろなど
* 取れないもの、もしくは他の治療をした後で本治療をするもの 黒いほくろ、色素性母斑、老人性ゆうぜい。これらにはまず他の治療法が選択されます。
■ 治療期間は
通常のしみの治療期間(1クール)は約2ヶ月です。肝斑や扁平母斑の場合は治療期間がこれよりも長くなります。
■ 治療経過は
治療は、前半の漂白していく治療期間(2-6週間)と後半の炎症をさましていく期間(2-6週間)に分かれます。使用開始後、治療部位の皮膚が赤くなり、垢のように皮膚がポロポロ剥けてきます。その後、徐々に赤みが増してきますが、しみは薄くなってきます。始めの1-2週間は一番つらい時期ですが、その後お肌が薬に慣れてきて赤みやしみる感じもなくなっていきます。漂白治療中は必ず最低2週間に1度は担当医の診察を受けてください。薬は診察の都度、変更されて行きます。皮膚が乾燥しすぎる場合は保湿液やオイルなどを医師の指示に従い使用してください。しみの治療期間の目安は8-12週間です。改善した後はメインテナンス用ケアを行いますが、必要に応じて2回目の治療を1ないし2ヶ月の間をおいて行うことができます。
治療料金(税別)
東大式トレチノイン治療
スタータキット16,000円 トレチノイン10g 7,000円
治療に伴う主なリスクはかぶれです。。主な副作用はかぶれを生じた場合はかさぶたができ、赤みや色素沈着が残る場合があります。
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■診療時間
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